2014年3月25日火曜日

115 第三章 福音の告知>I.神の民全体が福音を告げる>多くの顔ぶれの集まった一つの民



115.この神の民は地上の国々に受肉します。その一つ一つに独自の文化があります。文化に対する意識は、神の民において実践されるキリスト者の生き方の様々な表現を理解するための価値ある道具です。自分たち同士や他の被造物、そして神とかかわりを持つそのメンバーが持つ独自の仕方で、一定の社会にある生活様式のことを言っています。このように理解されながら、文化は民のいのちの全体を網羅します[84]。どの国も、その歴史の変転において、正当な自律性をもって自らの文化を発展させています[85]。このことは、人の人格が「その本性からして社会生活」に「決して欠くことのできない」[86]ものであることに依拠しています。そしていつも、現実と関係を持つ具体的な仕方を生きる場である社会と関連しています。人間存在はいつも文化的に据えられています。「自然と文化とはきわめて密接に結ばれている」[87]のです。恵みは文化を前提とし、神の賜物はこれを受け入れる文化に受肉するのです。


[84] 第三回ラテンアメリカおよびカリブ司教総会『プエブラ文書』(1979323日), 386-387参照。
[85] 第二バチカン公会議『現代世界憲章』36
[86] 同上, 25.
[87] 同上, 53.

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