2013年12月4日水曜日

37 第一章:教会の宣教的変容>III. 福音の心から出発して



37.聖トマス・アクィナスは教会の道徳的メッセージの中にも、またそこから出る徳の中にも、行動の中にも「順序」があると教えていました[39]。そこで語られるのは、何よりも「信仰は愛によって実践に移されるのです」(ガラ56節)。隣人への愛のわざは聖霊の内なる恵みの最も完璧な外に見える表れです。「新しい掟の重要性は愛によって働く信仰のうちに示される、聖霊の恵みのうちにある」[40]のです。そのため、外面的に働くにあたりあわれみこそがあらゆる徳の中でも一番のものであると説明します。「そのなかであわれみが徳の間でもっとも偉大なものなのです。なぜなら他者のために身を粉にするということ、さらには、その欠点を補うように助けるということがそこにあるからです。これは上位にあるもの特有のもので、だからこそあわれみを抱くというのは神独自のものとして理解され、そこで最大の仕方でその万能であることが輝き出るのです」[41]


[39] 『神学大全』I-II, q. 66, art. 4-6参照.
[40] 『神学大全』I-II, q. 108, art. 1.
[41] 『神学大全』 II-II, q. 30, art. 4. 同上 q. 30, art. 4, ad 1参照: «わたしたちが外面的な贈り物で神を礼拝するのは、神自身のためではない。それはわたしたちと隣人のためである。神はわたしたちのいけにえを必要としないが、わたしたちの信心のため、また隣人の益のために捧げるようにとは望んでいる。だからこそ、他者の欠点を救うあわれみこそが、神に一番喜ばれるいけにえである。隣人の益に最も近く働くからである».

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