2013年12月13日金曜日

54 第二章、共同体的献身の危機にあって>I. 現実の世界のいくつかの挑戦>疎外の経済に否を



54.この文脈で、まだ「トリクルダウン(訳者注、Wikipediaより『富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が浸透=トリクルダウンする』とする経済理論または経済思想)」の理論を守ろうとする人がまだいます。これは自由経済によって有利となる経済成長すべてが、自ずと世界における社会の公平と招き入れを呼び覚ますことができるようになる、という理論です。この意見は、実践によって確認されたこともなく、経済力をもつ人々の善意、そして支配的な経済システムの聖化されたメカニズムへの粗野で未処理の信頼を表現しています。一方で、除外された人々は、待ち続けているのです。他の人々を除外する生き方を保つことができ、その利己的理想をもって期待をもたせることができるために、無関心のグローバル化が発展してきました。ほとんど警鐘を鳴らすこともなく、わたしたちは他の人々の叫びを前に同情することもできなくなり、もはや、まるですべてが自分たちとは関係のない他者の責任であるかのように、他の人々の悲劇を前に泣くこともなく、彼らの世話をすることに関心も示さなくなっています。いい生活に留まる文化は、わたしたちを麻痺させ、まだ買っていないものを市場が提供すると落ち着かなくなる一方、他のそうした命は可能性の不足のために滞ったままでいる、そうしたことがわたしたちには、わたしたちを全然変えることのないただのショーであるかのように見えるのです。

0 件のコメント:

コメントを投稿