2013年12月13日金曜日

53 第二章、共同体的献身の危機にあって>I. 現実の世界のいくつかの挑戦>疎外の経済に否を


53.「殺してはならない」という戒めが人のいのちの価値を保つためにはっきりとした限界を据えているのと同様に、今日、「疎外と不平等の経済に否」を唱えるべきです。その経済は殺します。道に住むような状況にある老人が寒さに凍え死ぬことがニュースにならないなどということはあってはならないのです。それは、袋の両端のうち一つが落ちてしまっているようなものです。それは搾取です。今日、誰もが競走のゲームと、力あるものがより弱いものを食いつぶすような弱肉強食の法則の中に入ります。この状況の結果として、人口の多くが、仕事もなく、地平線も見えず、抜け道も見えずに除外され、疎外されているのが見受けられます。人間を、自身消費の財産、使った後捨てられるようなものとして見做しています。わたしたちは「使い捨て」文化を始め、しかも促進させています。もはや単純に搾取や抑圧の現象を扱うのではなく、なにか新たなことをも扱うのです。疎外によってその根そのものにおける、自分が生活している社会に留まるということが影響を受けているのです。というのは、もはや中野下の方、郊外に力なくいるのではなく、外にいるからです。疎外された人々は「搾取された人々」なのではなく、捨てられ、「余った物」にされているのです。

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