231.理念と現実の間にも二極的な緊張が存在しています。現実とは単にあるがままのことで、理念というのは手のくわえられたものです。二つの間に理念が現実に勝って終わらないようにしながら、継続的な対話が打ち立てられなければなりません。そこから、三つめの基本が求められます。現実は理念より上位にある、ということです。このことは、天使的純粋主義や、相対の全体主義、申告主義的唯名論、現実的というよりも形式的なことに比重のあるプロジェクト、非歴史的原理主義、善意のない倫理主義、知恵のない主知主義といった、現実を隠すような様々な形式を避けることが前提となっています。
0 件のコメント:
コメントを投稿