2014年6月5日木曜日

229 第四章 福音宣教の社会的側面>III 共通善と社会平和>一致は対立に勝る



229.この福音的判断基準はわたしたちに、キリストが、天と地、神と人、時間と永遠、肉体と霊魂、人と社会というように、すべてを自らのうちに一つにしたことを思い出させます。この自らのうちでのすべての一致と和解のしるしは、平和です。キリストは「わたしたちの平和であります」(エフェソ214節)。福音の宣告は平和のあいさつをもっていつもはじめられ、弟子たちの間での関係で一瞬一瞬平和がその頂点を飾り、まとめます。平和が可能なのは、主が「その十字架の血によって平和を打ち立て」(コロサイ120節)世とその永続的な対立性に打ち勝ったからです。けれど、この聖書のテキストの深みに行くならば、違いにおけるこの平和化を実現するようにわたしたちが呼ばれている最初の環境は、自らの内側、弁証法的な拡散によっていつも脅かされている自分のいのちであることを見出すに至らなければなりません[183]。何千もの破片に砕かれた心ではほんものの社会平和を築くのは難しいでしょう。


[183] I.キレス、『人格主義的教育の哲学』, Buenos Aires 1981, 46-53.

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