2014年6月3日火曜日

190 第四章 福音宣教の社会的側面>II 貧しい人たちの社会的包含>神とともに叫びに耳を傾ける



190.しばしばあらゆる民の叫びを聞くこと、地上の最も貧しい民の叫びを聞くことを扱います。というのは「平和は人権の尊重だけでなく、民族の権利の尊重[…]に基礎を置いている」[154]からです。残念ながら、人権までもが、個々人の権利やより豊かな国々の権利の激しい自己防衛の正当化として用いられることもありえます。それぞれの国の独立と文化を尊重しながら、惑星は全人類のものであり、全人類のためのものなのであって、資源が少なく発展の少ない場所に生まれたという事実だけではある人々が尊厳の少ない生き方をすることを正当とするわけにはいかないのだということをいつでも思い起こさなければなりません。「恵まれた人々は他の人々のために自分の持ち物の一部を惜しみなく分け与えることを教えています」[155]と繰り返し言わなければなりません。わたしたちの権利についてふさわしく語るためには、眼差しを広げ、自分の国以外の諸民族や諸地方にある叫びに対して耳を開く必要があります。「すべての民族が自らの将来を自分で建設していくのを助けるものでなければなりません」[156]という形での連帯を信じる必要があります。それは「人間はそれぞれ自分を進歩発展させるように召されている」[157]のと同様です。


[154] 聖座顧問『正義と平和』教会の社会教説綱要, 157.
[155] パウロ六世使徒的書簡『回勅「レールム・ノヴァールム」公布八十周年を迎えて』(1971514日), 23: AAS 63 (1971), 418.
[156] パウロ六世回勅『諸民族の進歩推進について』(1967326日), 65: AAS 59 (1967), 289.
[157] 同上., 15: AAS 59 (1967), 265.

0 件のコメント:

コメントを投稿