2014年6月2日月曜日

180 第四章 福音宣教の社会的側面>I.ケリュグマの共同体的社会的反響>わたしたちに訴えかける神の国



180.聖書を読んでいると、何よりも福音の提案は単に神との個人的な関係の提案だけではないことがはっきりしています。わたしたちの愛の応答も「アラカルトの愛徳」程度を成すような、自分の良心を安心させるためだけに偏りがちな行動のシリーズといった、欠乏にある個々人数人に向けられた個人的な小さな行為の単なる積み重ねとして理解されてもなりません。提案は〈神の国(支配)〉なのです(ルカ443節参照)。世において支配している神を愛することなのです。わたしたちの間で神が支配を達する度合いに従って、社会生活はすべての人にとって兄弟愛、正義、平和、尊厳の環境となるのです。そこで、宣告もキリスト者の経験もどちらも社会意識を目覚めさせる傾向にあるのです。その御国を探し求めるのです。「何よりもまず、神の国と神の儀を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる」(マタイ633節)。イエスのプロジェクトはその御父の支配する国をうち建てることです。イエスは弟子たちにこう求めます。「天の国は近づいたとのべ伝えなさい」(マタイ107節)。

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